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設計事務所の仕事の流れを解説|業務内容・やりがい・必要資格までを紹介

著者:株式会社巽

「設計事務所の仕事って、実際はどんな流れで進むの?」と疑問に感じていませんか。建築プロジェクトの工程は複雑で、ヒアリングから設計、施工監理、引き渡しまで多岐にわたります。特に設計事務所は、意匠設計・構造設計・設備設計などの専門分野が密接に連携し、クライアントの理想を“形”にする重要な役割を担っています。

しかし、「見積もりや契約のトラブルが不安」「必要な資格や適性が分からない」「他の業態と何が違うの?」と感じる方も少なくありません。実際、一級建築士の資格を持つ設計士は全国で約41,000人、設計事務所の数は約30,000社とされ、選択肢が多い分、悩みも多様化しています。

この記事では、依頼から竣工までのプロセスを実際の現場経験に基づき、具体的な数値や事例を交えて徹底解説します。 設計事務所選びに失敗しないためのポイントや、気になる年収・働き方のリアルも公開。あなたの「失敗したくない」「後悔したくない」という思いに寄り添いながら、最適な選択への道筋を示します。

この記事は、特に設計事務所と協力してプロジェクトを進めたい施工業者の方にも役立つ内容です。設計事務所の仕事の流れや業務内容を理解することで、スムーズな連携や最適なパートナー選定につながります。

最後まで読むことで、設計事務所の全体像と流れが明確になり、安心して次の一歩を踏み出せるはずです。

設計事務所の仕事の流れとは|基礎から専門的視点まで解説

設計事務所の基本的な役割と特徴

設計事務所は、建築物の企画、設計、監理を専門とする事務所です。建築設計のプロフェッショナルが在籍し、クライアントの要望に応じて住宅や施設、商業建築など多様な建物のプランニングを行います。主な業態には少人数のアトリエ系事務所と大規模な組織系事務所があり、扱う案件や業務の範囲、専門性に違いがあります。

他の業種と比較すると、例えばハウスメーカーは自社の標準仕様をもとに一貫した住宅提供を行うのに対し、設計事務所はゼロから建物のデザイン・設計を行い、自由度の高いオーダーメイドの提案が可能です。そのため、独自性や細部へのこだわりが重視される建築プロジェクトでは設計事務所が選ばれることが多くなっています。

サービスの幅も広く、土地探しの段階から相談に乗る事務所もあれば、意匠設計・構造設計・設備設計などの各専門分野を一括で対応する事例もあります。施工業者にとっても、設計事務所と早い段階から協業することで、全体の品質管理や現場調整が円滑に進みやすくなります。

設計事務所の仕事の流れ全体概要

設計事務所の仕事の流れは、依頼から建物の竣工・引き渡しまで大きく分けて下記の流れで進みます。

  1. クライアントとのヒアリング・要望整理
  2. 敷地調査・法規チェック
  3. 企画・基本設計(プランの作成と提案)
  4. 実施設計(詳細な図面・仕様書の作成)
  5. 各種申請手続き(建築確認申請など)
  6. 施工会社選定・見積もり調整
  7. 監理(現場監督・工程チェック)
  8. 竣工・引き渡し・アフターフォロー

それぞれの段階でクライアントとの打ち合わせを重ね、希望や条件を設計に反映させていきます。特にヒアリングや設計提案の場面では、要望を的確にくみ取る力が求められます。現場監理では、設計図通りに安全・高品質な建物が完成するよう現場と密に連携します。

また、施工業者が設計事務所と協力する際は、設計事務所の業務プロセスを理解しておくことで、見積もり調整や施工段階でのコミュニケーション、設計変更への迅速な対応がしやすくなります。

意匠設計・構造設計・設備設計の違い

設計事務所の仕事は、複数の専門分野が連携して進行します。主な役割は下記の通りです。

分野 主な担当業務 特徴
意匠設計 建物のデザイン・間取り・外観・内装 クライアントの要望や美観、使いやすさを重視
構造設計 建物の骨組み・耐震・安全性の設計 建物の安定性や強度、法規制への適合を確保
設備設計 電気・空調・給排水・防災などの設備計画 利便性や省エネ、快適な生活環境を設計

これらの分野はそれぞれ専門知識が求められ、設計事務所内で分業されるか、外部の専門家と連携してプロジェクトが進められます。各分野が協力し合うことで、安心・安全でデザイン性にも優れた建物が完成します。施工業者との情報共有がスムーズに行われることも、品質や工程管理の最適化に繋がります。

設計事務所の業務プロセス詳細|各工程ごとの仕事内容とポイント

初回相談・ヒアリング・土地調査

初回相談では、顧客の理想やライフスタイル、予算感などを細かくヒアリングします。要望を正確に把握することが、スムーズなプロジェクト進行の鍵となります。土地調査では、建築予定地の現地確認や周辺環境の調査、法規制・用途地域・建ぺい率・容積率などの確認を実施し、計画の実現可能性を精査します。下記の表で要点を整理しました。

項目 内容
ヒアリング 住まい方・将来設計・予算・家族構成の把握
土地調査 地盤調査・法令チェック・近隣状況の確認
法規制の確認 建築基準法・条例などの制約確認

この段階では、設計士に求められるコミュニケーション力や洞察力が重要です。人と話すことが好きで、相手の意図をくみ取る力がある方に向いています。逆に細かい調査や確認作業が苦手な人には難しさを感じるかもしれません。

また、施工業者が設計事務所に協力や発注を検討する場合、この初期段階から設計事務所と連携することで、プロジェクト全体の方向性や課題の早期発見が可能となります。

コンセプト構築と基本設計

ヒアリングをもとに、顧客の要望や敷地条件、法規を反映したコンセプトを練ります。基本設計では、建物の全体的な形状や間取り、外観デザイン、設備方針を図面で表現し、イメージを共有します。予算やスケジュール、将来的な使い方まで見据えた提案が求められます。

ステップ 内容
コンセプト提案 理念・イメージ・ライフスタイルの反映
基本設計 平面・立面・断面図の作成
調整・修正 予算・法規・顧客要望とのすり合わせ

専門的な知識と提案力、柔軟な調整力が問われます。顧客と何度も打ち合わせを重ねることで、理想と現実のバランスを取ることが大切です。

施工業者にとっても、この段階で設計事務所と密に協議することで、施工性やコスト面の調整が早期に行え、後工程でのトラブル回避や効率的なプロジェクト推進が期待できます。

関連する資格やスキル

設計事務所で活躍するには、建築士(一級・二級・木造)や建築設備士などの資格が役立ちます。設計図作成にはCADやBIMなどの技術スキルも必須です。さらに、法規や構造に関する専門知識、コミュニケーション力、プレゼンテーション力も大切な要素となります。資格取得や経験を積むことで、設計職としてのキャリアアップが期待できます。

実施設計・見積・工事業者選定

基本設計をもとに、より詳細な図面や仕様書を作成します。実施設計では、構造・設備・仕上げなど細部にわたる指示を行い、品質や安全性を担保します。工事費の見積り調整や、ゼネコン・工務店選定も重要な業務です。

役割 主な内容
実施設計 詳細図・仕様書・構造計算書の作成
見積調整 工事費用の妥当性確認・コストダウン提案
業者選定 入札・見積比較・信頼性のある業者選定

コスト管理やリスク回避の観点から、複数社の見積比較や交渉力が求められます。設計と現場の調整役として、技術とマネジメントのバランスも重要です。

施工業者が設計事務所との協力を考える際は、この工程で設計意図や仕様、工事範囲をしっかりと把握し、正確な見積もりや現場スケジュールの調整、情報共有の徹底を心がけることが成功のポイントとなります。

着工・施工監理・竣工

工事開始後は、設計図通りに施工が進んでいるか現場で監理します。不備や設計変更への対応、工事進捗の管理など、責任の重い業務が続きます。竣工時には検査を実施し、完成引き渡しまでをサポートします。

工程 内容
着工 工事開始の立ち合い・スケジュール確認
施工監理 工事品質・安全確認・トラブル対応
竣工・引き渡し 最終検査・顧客への説明・書類の引き継ぎ

設計士は現場監理を通じて、建物の品質・安全・納期を守る役割を担います。トラブル対応や調整力が問われるため、現場経験の積み重ねが信頼につながります。

施工業者と設計事務所の連携が円滑であれば、設計変更や現場の課題にも迅速に対応でき、プロジェクト全体の品質と満足度向上に直結します。

設計事務所の仕事のやりがい・大変なこと・向いている人

設計事務所のやりがい・魅力

設計事務所で働く最大の魅力は、自らのアイデアや技術が形となり、社会に残る建築物を生み出せる点です。プロジェクトごとに異なる課題を解決しながら、クライアントの要望や夢を具体的な設計図やデザインで実現していきます。建物が完成し、多くの人々に利用される姿を目の当たりにすることで、大きな達成感や貢献感を得られます。また、設備設計や構造設計、意匠設計など多様な専門分野を経験でき、スキルと専門性が高まる環境です。日々の業務を通じて技術や知識が深まり、成長を強く実感できる点も大きなやりがいです。

さらに、設計事務所と施工業者が協力し合うことで、お互いの専門性を活かした高品質な建築物づくりが実現し、チームとしての達成感も味わえます。

設計事務所の大変なこと・ストレス要因

設計事務所の仕事は、納期やクライアント対応、現場対応など多岐にわたります。特に長時間労働や突発的な修正依頼、現場のトラブル対応など、スケジュール調整が難しい場面が多いです。下記は主なストレス要因です。

  • クライアントや施工会社との調整によるプレッシャー
  • 法規やコスト管理、申請業務などの複雑な業務
  • プロジェクトの進行による納期の厳守や残業の増加
  • 意匠・構造・設備など専門知識のアップデート

一方で、完成した建築物を前にして感じる達成感や、クライアントからの感謝の言葉がストレスを和らげることもあります。

施工業者から見ても、設計事務所とのやり取りや現場調整は負担が大きい一方、課題を乗り越えたときの充実感や信頼関係の構築が大きなメリットとなります。

設計職に向いている人・向いていない人の特徴

設計事務所で活躍できる人にはいくつかの特徴があります。下記のテーブルで向き・不向きを整理します。

向いている人の特徴 向いていない人の特徴
問題解決や創造的な発想が得意 マルチタスクが苦手
コミュニケーション能力が高い プレッシャーに弱い
専門知識や技術の習得に意欲的 新しい知識への興味が薄い
細部までこだわる集中力がある 細かい作業が苦手
柔軟性を持ち変化に対応できる 変化や調整が苦手

また、設計職は建築士や設備設計、構造設計の資格取得や実務経験が評価される業界です。自ら学び成長できる人、チームワークを重視できる人が特に向いています。

施工業者として設計事務所と連携する場合も、こうした設計士の特性を理解し、信頼できるパートナーを選定することがプロジェクト成功のカギとなります。

設計事務所で働くには?必要な資格・スキル・キャリアパス

必要な資格・学歴・経験

設計事務所で働くには、主に以下の資格や学歴、実務経験が重要です。

資格・学歴 内容 ポイント
一級建築士 国家資格。大規模建築物・重要案件を担当できる 受験には実務経験が必要
二級建築士 一般住宅や小規模施設を担当できる資格 学歴や実務年数により受験資格が異なる
建築系大学・専門学校 建築学科、建築デザイン学科などが主流 学士・専門士で基礎知識を習得
実務経験 CAD操作、現場監理など幅広いスキルが求められる 実践を通じて専門性を身につける

強調ポイント

  • 資格取得はキャリア形成に直結します
  • 設計事務所によっては、未経験者を研修で育成する場合もあります

設計士の種類とキャリアの選択肢

設計士には主に「意匠」「構造」「設備」の3分野があり、それぞれに必要な専門知識とキャリアパスがあります。

  • 意匠設計士:建物のデザインや空間設計を担当。美的感覚とコミュニケーション能力が重要です。
  • 構造設計士:建物の耐震性・安全性を計算。物理や数学の知識が求められます。
  • 設備設計士:電気・空調・給排水などの設備計画。技術の幅広さが強みです。

キャリアの選択肢には、以下のような道があります。

  1. 設計事務所で経験を積む
  2. ゼネコンや建設会社に転職
  3. 独立開業し自分の事務所を持つ

自分に合った分野を見極め、スキルアップすることが長期的な成長に繋がります。

設計事務所への就職・転職活動のポイント

設計事務所への就職や転職を目指す際には、求人情報の収集や応募書類の作成、面接対策が欠かせません。

  • 求人の探し方
  • 建築業界専門の求人サイトや転職エージェントを活用
  • 企業ホームページやSNSで最新情報をチェック
  • 面接・ポートフォリオ対策
  • 自身の実績やスキルをアピールできる資料を準備
  • CAD図面や完成写真など具体的な成果物をまとめる
  • 女性の働き方にも注目
  • 女性設計士の活躍が広がっており、育児支援や柔軟な働き方を導入する事務所も増加
  • ダイバーシティ推進企業を選ぶことで、長く安心して働ける環境が得られます

ポイントを押さえた準備で、希望する設計事務所への就職や転職が現実的になります。

会社概要

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電話番号・・・048-829-7931

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